ウチの高齢の猫さんが痩せてきて……。太らせたいんだけどどうしたらいいのかな?
というあなたに捧げる記事。
太らせたい→まずは動物病院で相談
まずは、いちばん大事なことをいいます。
猫さんが痩せてしまって心配! 太らせたい! と思うならば、まずは動物病院で相談するのがスジではないかと。
心配なほど急激に痩せたのならば、それは病気を疑って対応すべきです。
焦って自己判断で高カロリー補助食をどんどん与えては、これまた別の健康上の問題を引き起こすかもしれませんし。
まずは、動物病院で「痩せたから心配なんです」と相談してみることからスタート、ですよ。
ウチのオバア猫の体重
というわけでここからは「はっきり病気が原因ってわけじゃないけど、猫さんが歳とって痩せてなんか心配」というカイヌシはどうしたらいいのか、という観点で書きます。
参考に、ウチの高齢猫・Mさんの体重公開してみます。ちなみに体長はごくふつー(平均より少し小さい?)の雑種猫です。
16歳(推定)、体重は3.5kg±0.1付近で推移してます。闘病中にも関わらずこの2年くらいずっと安定してます。先週病院行ったら3.3kgとちょこっと減っておりましたが。
むしろ若い頃のほうが痩せてることが多かった。夏場はよく体重を落としてました。皮膚炎が悪化すると食べなくなるんですよね。この写真のときはたしか2.8〜3.0kgほどだったはず。
そしてこちら本日の様子。
こうして見比べてみると、やっぱ歳とったなー、体型変わったんやなーと実感しますね。若い頃のプリプリ感よ。
高齢猫のほうが「痩せた」印象が強い
思いまするに、猫さんが歳をとると「痩せてしまった!」という印象をより強く受けるのではないかと。
さっきの写真では、上に比べて下では体重0.5kgは増えているはずなんですが、それほど増えた感じがしません。
触った印象もそうです。
例えば今、背中を触ると背骨がはっきり感じられます。太ももは明らかに細くなったし、前脚(ネコの手)も骨ばった印象です。でもお腹はたるんたるんしてます。
若い頃は、背中を触れば肉を感じたし、手足ももっと太かったです。太ももだってもっとプリッとしてました。
今より体重が軽くても。
猫もニンゲンと同じく、歳をとると筋肉が落ちてくるみたいですね。加えて、高齢になると健康でいろんなことが気になってくるのも同じ。
飼い主側も神経質になりやすくなるのではないかなぁと思います。
高齢猫を無理やり太らせるのは難しい
「太って体力つけたほうがいいからどんどん食べなさい!!」と言ってみたところで、猫は無視します。まあ当たり前ですけど。
歳をとってだんだん食が細くなるのはいたしかたないことです。
食べる量自体が減っている中、太らせるのはやっぱ難しい。
急に太らせるのは難しいわけだし、無理やり太らせるのも健康上よくない。ある程度は、今の状況を受け入れるという考え方も必要なんじゃないかなと思います。もちろん、病気が原因で痩せたわけではないことが前提ですけど。
Mさんはなぜ高齢になってから太った?
高齢の猫さんが痩せて心配……太ってほしい……!! という悩みを抱える飼い主が多い中、Mさんは若い頃よりむしろ太った。というか、安定した体重を保ててる、って言った方が正確かな。
それはなぜ? というとうちの特殊事情があるかもしれません。まあ何かのヒントになれば。
Mさんが13〜4歳の頃、今までのキャットフードを急に嫌いになって食べなくなり、少し痩せた時期がありました。同時期に鼻の病気が発覚したので、もしかしたらにおいの感じ方とか、猫さんなりに何か変化があったのかも。
そこで「どれなら食べてくれるだろうか」と高級キャットフードから安フードまであれこれ試した結果、「これならヨシ」と判断されたのがこちら。
いわゆる「プレミアムフード」ちゅうやつではないですが、グレインフリーの(穀物を使ってない)キャットフードです。
ちなみに同製品のラインナップには高齢用もあるのですが、チキン味しかなく(Mさんはチキン味が嫌い)断念、やむなく成猫用をチョイス。
ただこれに変えてから、毎日安定した量を食べるようになり、半年くらいかけてゆっくり体重が増えていきました。それ以降はずっと体重が安定しています。
それと、どういう因果かわかりませんが、このところアトピー性皮膚炎を見なくなりました。悪化→一時的な激ヤセ→調子良くなる→戻る を繰り返してたんですが、それがなくなった。
というわけで、おかげさまでがん治療中ですら食欲も体重も変わらず、というわけです。
いっておくけど、ほかの高齢猫さんにもMさんと同じフードをすすめたい、ってわけじゃないのであしからず。猫さんのお口に合うフードを見つけて、それ以降はコロコロ変えなかったのが良かったのかも、って思ってます。
高齢猫用フードはそこまで高カロリーというわけではない
Mさんのフードを変えた時に色々調べたんだけど、高齢猫用フードだからといって特にカロリーが高いというわけではないみたい。
「高齢用に変えれば太るかな?」って思ってたけど、そうじゃないってことね。
キャットフードのエネルギー量をあらためて調べてみました。ふたつのみんながよく知ってるメーカーで、減量用じゃない製品を対象年齢別に比較してみたよ。
ロイヤルカナン
対象 | 製品 | エネルギー量(100gあたり) |
---|---|---|
子猫 | キトン | 409kcal |
成猫 | インドア | 375kcal |
中高齢 | インドア 7+ | 378kcal |
高齢 | エイジング 12+ | 408kcal |
ヒルズ サイエンス ダイエット
対象 | 製品 | エネルギー量(100gあたり) |
---|---|---|
子猫 | キトン(チキン) | 425kcal |
成猫 | アダルト(チキン) | 416kcal |
中高齢 | シニア(チキン) | 393kcal |
高齢 | シニアプラス(チキン) | 393kcal |
カロリーにだけ注目すれば、総じて子猫用のほうが高い。じゃあ痩せてきた高齢猫さんに子猫用フードをあげては? って思うかもしれないけど、それもどうなんでしょう。
ヒルズのウェブサイトには「推奨できない」って記述がありました。やっぱり年齢相応のを選んであげてほしい。カロリーだけじゃなくいろんな要素を考慮して組成がされているのだろうから。
高級フードよりお気に入りを
キャットフードは高額であるほどたんぱく質の比率が高い製品が多い、と言われています。高級なフードをあげられればそのほうがいいですが、お口に合うかどうかは猫さん次第です。
「このフードは体にいいのよっ! コレ食べなさいっ!!」って言ったところで、猫ですしね……。
高級フードよりも安いフードの方が喜んでパクパク食べてくれるのならば、それでもいいかもしれない、と私は思ってます。
さっき比較したとおり、高齢猫用フードならば格段にカロリーが高いってわけでもないんです。だったら、太るには量を多く食べてくれるほうがいいわけですしね。
私が数年前に19歳でみとった猫・狸氏は、生涯を通じてスーパーに売ってる千円以下のフードしか食べませんでしたが、それでも病気なく19歳まで生きたわけで。
ストレスを増やさない
猫さんが痩せて心配、太ってほしい、ということでキャットフードやサプリメントのことが気になるのはたしかなんだけど、生活の上でのストレスを増やさないことも大事かもしれない。
多分これを読んでくれている人は、長生きな猫さんと暮らしているのだろうから、きっと安定した環境で大切に育てていると思うけど。
食が細くなった高齢猫さんを急に太らせるのはムリだから、少しずつでもいいから、継続して食べてくれるように保つ、という考え方も必要かもって思います。
ストレスを増やさないには、今までどおり・変えない・変わらないことが大事。現状少しずつでも安定して食べているのに「もっといいフードを食べさせるべき」とかって急にアレコレ試し始めると、逆に猫さんのストレスを増やすかもしれない……と心配になっちゃう次第です。
みんなの猫さんに長寿と繁栄を🖖🏼